2024年02月05日

アートを飾るインテリア with 照屋勇賢氏

こんにちは、正会員の松田です。
空間をコーディネートするうえで、欠かせないものの1つがアート。
アート = 絵画??
絵画と聞くと、ハードルが高くなかなか手が出しづらい感じ、
アートと聞くと、買ってみようかな。と思ってしまうのは私だけでしょうか。。
ただ、アートが人々の生活のうえで、優先順位があまり高くないことも現実です。
アートには空間を華やかにするだけでなく、作者のメッセージが自分の人生の糧になる力も秘めています。
アートがもっと私たちの人生の身近な存在になる。今回はそう思えるセミナーをレポートします。
第2回OICスキルアップイベント「沖縄らしさ ~アートを飾る~」
1月19日(金) 沖縄県立博物館・美術館のミュージアムカフェにて、世界で活躍する沖縄出身のアーティスト照屋勇賢氏を迎えて
「沖縄らしさ」を掘り下げて、アートとインテリアを一緒に考えてきました。

アートを飾るインテリア with 照屋勇賢氏
▲イベントの様子


ここで少し照屋氏をご紹介します。

照屋 勇賢(てるや ゆうけん)
1973年、沖縄県南風原町出身。1996年多摩美術大学美術学部絵画科油絵専攻卒業。
2001年ニューヨーク・スクールオブビジュアルアーツ修士課程修了。以降、ニューヨーク、ベルリン、沖縄を拠点に活動。
≪告知ー森≫シリーズを初め、紙袋などの日用品を用いながらその意味をずらすことで、普段は気づかない価値観や枠組みなどの問題を作品化する。
2002年「VOCA展2002」奨励賞受賞。同年「オールドリッチ現代美術館」新人作家賞受賞。
Okinawa Heavy Pop Yuken Teruya (沖縄県立博物館・美術館 発行)より抜粋
私が初めて照屋氏の作品に出会ったのは、2010年六本木の森美術館で開催された「六本木クロッシング2010展:芸術は可能か?」という作品展でした。
ファストフード店や高級ブランドの紙袋の一面を切り取り、木の形の立体物をつくる作品<告知ー森>や、2007年沖縄国際大学に米軍ヘリコプターが墜落し現場が米軍により封鎖された後も、ピザ配達だけは入場が許された事件に着想を得た作品<来るべき世界に>等は出会って以降何年たっても私の脳裏に焼き付いているくらいインパクトの強いものでした。
そこには照屋氏の強いメッセージが、話したこともない私にも届くくらい作品にこもっていたのだと思います。

アートを飾るインテリア with 照屋勇賢氏
▲作品<告知ー森>

アートを飾るインテリア with 照屋勇賢氏
▲作品<くるべき世界に>


あれから14年。照屋氏の作品を目にする機会はあったものの、まさかご本人から直接メッセージを聞ける機会がくるなんて!
今回のイベントに参加する前に、沖縄県立美術館で開催されていた作品展で予習し、そのイメージを持ったままイベントへ。
照屋氏のお話は、作品から私が勝手に受け取って想像した以上にメッセージが溢れていました。
例えば、彼の作品でトイレットペーパーの芯を木の形に切り取り起立させる<コーナーフォレスト>という作品があります。
これの原型になったのが、アメリカ学生時代に友人宅のトイレに置かれたトイレットペーパーの芯を見たときのこと。
何かいたずらをしよう(魔法をかけよう)と思いつき、芯をキツツキの形に切り取ってそのまま置き去りました。
もともとは木だった芯が、時を経て木に返る。そんな魔法のかかったトイレに入ってみたくないですか?うちのトイレにも魔法をかけてほしいです(笑)
そこから、前述した<告知ー森>の作品に発展します。
この作品もトイレットペーパーの芯同様、もともと木だった紙袋に気を蘇らせることがコンセプト。


大量生産される紙袋やパッケージを見て思いついたそうです。
こんなメッセージを受け取ると、これから紙袋やパッケージ商品に出会ったら木に感謝してしまいます。
もっともっと照屋氏の作品紹介をしたいところですが、「スペースに限りがあります」とどこからか声が聞こえてきましたので、本題に入ります。
(照屋氏の作品をもっと知りたい方はこちらをご覧ください → https://www.yukenteruyastudio.com/index.html

アートを飾るインテリア with 照屋勇賢氏
▲作品<コーナーフォレスト>

アートを飾るインテリア with 照屋勇賢氏
▲作品<結い、You-I>

アートを飾るインテリア with 照屋勇賢氏
▲作品展のようす


照屋氏から見た『インテリア』とは、「過去から現在・未来へ歴史がつながっているもの」とのことです。インテリアを見ることでそこに住む人、個人個人の歴史を感じることができるそうです。
インテリア空間を作るとき、全て新しいものだけを取り入れるのではなく、代々受け継いできた物ものや、以前手に入れたものなど(例えば初めて自分で買った椅子とか)などと組み合わせることで、その空間に歴史が生まれそれが未来へつなげるメッセージになる。
照屋氏のようなアーティストでなくても、作品を作れなくても、インテリアを通してメッセージを伝えることができる。と教えていただきました。
また、これからもっとアートを身近にしていくために必要な事。それは、アートを買う体感をすることだそうです。
アートを持つことでメッセージを受け取り、伝える説得力が増します。そして、アートを買う=人生に余裕がうまれ、意識を高く持つことができます。
「壁が寂しいからアートを飾る」のではなく、『アートを飾るための壁を作る』そんな余裕がある生活って素晴らしいと思いませんか。

アートを飾るインテリア with 照屋勇賢氏
▲アートを飾るための壁

アートを飾るインテリア with 照屋勇賢氏
▲松田家のアート(歴史)
(アンディ―ウォーホルが好きで、彼のマリリンモンローと松田姉妹のコラボ)

今回のイベントを通して私が心に決めたことがあります。
それは、これからインテリアコーディネーターとして仕事をするうえで、全てのお客様に聞こうと思います。
『部屋に何か飾りたいもの(歴史)はありますか?』と。めちゃめちゃワクワクするフレーズです!!
アートを通して、ライフスタイルにおけるインテリアの重要性、メッセージ性を再認識できたこと。
本当に貴重な体験でした。
皆さんもぜひアートを取り入れたインテリア空間で、ご家族やご友人、はたまた未来へメッセージを発信してみてください。



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