2019年10月01日
沖縄県産木材スタディーツアー
皆様こんにちは。
広報部の安里です。
先日、沖縄県農林水産部森林管理課主催の沖縄県産木材スタディーツアーに
参加してきました。
金武の企業組合キンモクからバスに乗って国頭村森林組合へ。
国頭村内の造林現場へは道が狭く、バスで行くことが出来ないため、国頭村森林組合からは車3台に乗り換え向かいました。
国頭村造林現場
造林されてる木の80%がイタジイ(スティックブロッコリーのような木)で、残りはイジュ、クスノキ、イスノキ、ハマセンダン、ホルトノキなど。
戦後の復興の為の建築資材や薪炭材として使われ、そこから国頭の林業につながったそうです。
伐採された木は人力で河川まで運ばれ、河川を利用して運搬されます。
人力で運ぶので手間とコストがかかりますが、重機を入れてしまうと山肌を傷つけ、赤土が流れ出る事も懸念されるため、環境に配慮した運搬がなされているようです。
伐採するにも山の尾根から谷部まで一直線にするのではなく、生物の生息地でもある谷部は保全し、尾根部を伐採する。
伐採するにも大きさ(5ha以下)、伐採地(伐採する場所は分散させる)、時期(ノグチゲラの繁殖期)など動植物にも配慮し、環境省とも調整しながら決められているようです。
伐採後は植林もするわけですが、その際も樹種の成長の違いに応じて、植える場所も変えているそうです。意外だったのが、伐採後は肥料などをあげて手入れをしているという事。植林したら自然のままなのかと思ってました。(笑)
伐採された木は国頭村森林組合やキンモクに持込まれ、製材、乾燥されます。
国頭村森林組合で細かく粉砕し、キノコの菌床用のオガ粉、畜産の敷材用のチップにされていました。
驚くことに、県産木材の70%がこのオガ粉とチップに使われているのです!
残りの19%が薪材(ヤチムンなど)、製材11%(土木用資材、建材・家具小物用)。そしてこの製材の中から、建材・家具小物用として使われるのは僅か1%程だそう。
沖縄の多くの木が広葉樹で曲がっている木が多く、大木でないため、サイズが合わなかったり、カビが生えたりして建材として使えない事が多いようです。
次は「やんばる 森のおもちゃ美術館」へ
美術館の床材はイタジイが使われ、手前のオブジェは樹齢300年の琉球マツです。年間13,000人の来館があり、東京おもちゃ美術館の姉妹館でもあるようです。
色んな木のオモチャに皆さん童心に帰って楽しんでいました
「たまごプール」
琉球マツで卵状に作られたオモチャは感触が気持ち良くて、皆さんたまごプールに吸い寄せられていました。思わず「大人ほいほい」と呟いたほど。(笑)
「企業組合 キンモク」へ。
工場では製材前の木材と製材された木材が積み上げられていました。
製材前
製材後
乾燥中
スライス中
倉庫にも乾燥中の木材が
「企業組合 キンモク」では個人でも板材の購入が可能だそうですよ
売れる木(需要)と乾燥させる木(供給)のバランスがとりにくいそう。
琉球マツは10日乾燥させて、3か月養生して販売できるのに対し、イタジイなどの
広葉樹は1年乾燥させて、3か月養生が必要で、すぐに販売できるわけではないそうです。
ただ、乾燥期間は樹種にもよります。
まとめのお勉強。
森林管理課の方から沖縄県の森林・林業推進と、木材のブランド化に向けて取り組みについてお話しを聞きました。
来年の世界遺産登録への課題が、森林の活用と環境保全の両立なんだそう。
場所に応じて保全するところ、利用できるところ、とゾーニング。
利用出来るところは前述のように、動植物や自然環境に配慮しながら伐採しつつ、早生樹(成長の早い木)によって伐採できるサイクルを早くしたり資源循環型の森林施業も進められているそうです
「工房地球のかけら」代表の古我知さんより
実際に使ってる職人さんとしてのお話しを聞きました。
全国で木材として使われている量が0.34㎥。沖縄では0.09㎥(輸入材含む)。
その中で県産材が使われている量が0.036㎥なんだそう。
古我知さんが持っている板材の半分くらいがその量なんだそうです。
お盆よりも小さい。。
せめてこの板材ぐらいは使い、沖縄の木をもっと活用出来たらいいですね。
今回のツアーで県産材のほとんどが広葉樹であることや、伐採・植林の仕方、
製材されて何に使われているのかを知れてとても勉強になりました
広報部の安里です。
先日、沖縄県農林水産部森林管理課主催の沖縄県産木材スタディーツアーに
参加してきました。
金武の企業組合キンモクからバスに乗って国頭村森林組合へ。
国頭村内の造林現場へは道が狭く、バスで行くことが出来ないため、国頭村森林組合からは車3台に乗り換え向かいました。
国頭村造林現場
造林されてる木の80%がイタジイ(スティックブロッコリーのような木)で、残りはイジュ、クスノキ、イスノキ、ハマセンダン、ホルトノキなど。
戦後の復興の為の建築資材や薪炭材として使われ、そこから国頭の林業につながったそうです。
伐採された木は人力で河川まで運ばれ、河川を利用して運搬されます。
人力で運ぶので手間とコストがかかりますが、重機を入れてしまうと山肌を傷つけ、赤土が流れ出る事も懸念されるため、環境に配慮した運搬がなされているようです。
伐採するにも山の尾根から谷部まで一直線にするのではなく、生物の生息地でもある谷部は保全し、尾根部を伐採する。
伐採するにも大きさ(5ha以下)、伐採地(伐採する場所は分散させる)、時期(ノグチゲラの繁殖期)など動植物にも配慮し、環境省とも調整しながら決められているようです。
伐採後は植林もするわけですが、その際も樹種の成長の違いに応じて、植える場所も変えているそうです。意外だったのが、伐採後は肥料などをあげて手入れをしているという事。植林したら自然のままなのかと思ってました。(笑)
伐採された木は国頭村森林組合やキンモクに持込まれ、製材、乾燥されます。
国頭村森林組合で細かく粉砕し、キノコの菌床用のオガ粉、畜産の敷材用のチップにされていました。
驚くことに、県産木材の70%がこのオガ粉とチップに使われているのです!
残りの19%が薪材(ヤチムンなど)、製材11%(土木用資材、建材・家具小物用)。そしてこの製材の中から、建材・家具小物用として使われるのは僅か1%程だそう。
沖縄の多くの木が広葉樹で曲がっている木が多く、大木でないため、サイズが合わなかったり、カビが生えたりして建材として使えない事が多いようです。
次は「やんばる 森のおもちゃ美術館」へ
美術館の床材はイタジイが使われ、手前のオブジェは樹齢300年の琉球マツです。年間13,000人の来館があり、東京おもちゃ美術館の姉妹館でもあるようです。
色んな木のオモチャに皆さん童心に帰って楽しんでいました
「たまごプール」
琉球マツで卵状に作られたオモチャは感触が気持ち良くて、皆さんたまごプールに吸い寄せられていました。思わず「大人ほいほい」と呟いたほど。(笑)
「企業組合 キンモク」へ。
工場では製材前の木材と製材された木材が積み上げられていました。
製材前
製材後
乾燥中
スライス中
倉庫にも乾燥中の木材が
「企業組合 キンモク」では個人でも板材の購入が可能だそうですよ
売れる木(需要)と乾燥させる木(供給)のバランスがとりにくいそう。
琉球マツは10日乾燥させて、3か月養生して販売できるのに対し、イタジイなどの
広葉樹は1年乾燥させて、3か月養生が必要で、すぐに販売できるわけではないそうです。
ただ、乾燥期間は樹種にもよります。
まとめのお勉強。
森林管理課の方から沖縄県の森林・林業推進と、木材のブランド化に向けて取り組みについてお話しを聞きました。
来年の世界遺産登録への課題が、森林の活用と環境保全の両立なんだそう。
場所に応じて保全するところ、利用できるところ、とゾーニング。
利用出来るところは前述のように、動植物や自然環境に配慮しながら伐採しつつ、早生樹(成長の早い木)によって伐採できるサイクルを早くしたり資源循環型の森林施業も進められているそうです
「工房地球のかけら」代表の古我知さんより
実際に使ってる職人さんとしてのお話しを聞きました。
全国で木材として使われている量が0.34㎥。沖縄では0.09㎥(輸入材含む)。
その中で県産材が使われている量が0.036㎥なんだそう。
古我知さんが持っている板材の半分くらいがその量なんだそうです。
お盆よりも小さい。。
せめてこの板材ぐらいは使い、沖縄の木をもっと活用出来たらいいですね。
今回のツアーで県産材のほとんどが広葉樹であることや、伐採・植林の仕方、
製材されて何に使われているのかを知れてとても勉強になりました